1月5日にもっとも偉大な現代音楽の作曲家ピエール・ブーレーズ氏が亡くなっていたことを知った。90歳だった。
音楽家としては長生きの部類だったが、中学生ぐらいからずっと見てきた人だったので絶句した。音楽の20世紀が終わった。
「現代人を癒す音楽は現代音楽しかない」みたいなことを言っていたのを覚えている。
この人はずっと現代音楽のセンターステージに居たし重要ポストにも就いた。フランスとヨーロッパの最大の知性だった。指揮者としてもニューヨークPOなどの一流オケと仕事をした。重要性を適切に評価されたし、恵まれた幸せな音楽人生だったかと。
ストラヴィンスキー、バルトーク、シェーンベルク、ベルク、ヴェーベルン、メシアン、ドビュッシー、ヴァレーズといった20世紀の音楽はみんなブーレーズが教えてくれた。10代の自分には理解などできなかったけど。
追悼に何かかけようと思った。ブーレーズがブーレーズを指揮したCDも持っているのだが、手っ取り早くバルトークのピアノ協奏曲3曲を、3人のスターピアニスト(クリスティアン・ツィマーマン、レイフ・オヴェ・アンスネス、エレーヌ・グリモー)と、3つのオケ(シカゴSO. ベルリンPO. ロンドンSO.)
をブーレーズが振り分けたDGの録音を聴きはじめた。
自分にはこの3曲が今でもよく理解できないところが多い。
だが、キッチリカッチリ理路整然と、あいまいに響くような箇所が存在することを許さないブーレーズの指揮ぶりは自分の視界をクリアにしてくれた。クラシックをCDで聴くことはまだまだ面白い。
そして時代を代表するピアニストたちの懇親の熱演。個人的にアンスネスの第2番はすごいと思う。
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