2015年12月10日木曜日

チェリビダッケ ショスタコーヴィチ 1 & 9

毒舌なチェリビダッケなら「ショスタコーヴィチ?あんなの下品でアホ」って言うかと思っていたのだが、この人は若い頃からショスタコーヴィチを振っている。限定的にだが。

で、チェリビダッケが晩年にミュンヘン・フィルを指揮したショスタコーヴィチの第1番と第9番、そしてバーバー(!)のEMI盤がそこに500円であったので聴いてみることにした。このCD、別の店でも500円で売られているのを見かけたことあるな。

第1番は1994年6月2,3日のガスタイクでの録音。
出だしから管楽器奏者たちの緊張が伝わってくる。すごく慎重で丁寧。
19歳の天才少年によるやんちゃな曲をチェリビダッケが?と思っていた。こういうふうに演奏しても面白いだろというメッセージも感じた。自分は楽しく聴けた。
だが、人によっては退屈かもしれない。だから自分はこうして安価で手に入れて聴けるわけだが。

第9番は1990年2月9日の録音。
やはり今まで聴いてきたどの演奏とも異なる、せかせかしない個性的名演。

そしてバーバーの弦楽のためのアダージョ。1992年1月29,30日の録音。
この曲はオリバー・ストーン監督の「プラトーン」で使われたために日本でもとても有名。アメリカ人なら、ここぞという場面で誰でも一度は耳にしている曲。深い深い哀しみを湛えた曲。

この曲はチェリビダッケなら期待できそうなレパートリー。弦のチューニングにうるさいチェリが弦楽セクションに強いプレッシャーを与える。悲しみの大河が広がる。

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