こんなCDを見つけた。20世紀チェコの作曲家ボフスラフ・マルチヌー(Bohuslav Martinů 1890-1959)のピアノ協奏曲を集めた2枚組み、チェコSUPRAPHONの日本Columbia(2009)CREST1000という廉価シリーズのひとつ。500円で発見して即買い。
エミル・ライフネル(EMIL LEICHNER)のピアノ、イルジー・ビエロフラーヴェク(Jiří Bělohlávek)指揮チェコ・フィル(CZECH PHILHARMONIC ORCHESTRA)による1987-1988年プラハでの録音。このジャケットは日本国内盤(コロムビア)のみのデザイン。
マルチヌーの曲はチェコ、もしくは何でも好奇心を示す英国あたりでないとほとんど演奏されない。CDもそれほどない…と思う。あまりみかけない。ピアノ協奏曲も一流どころのピアニストからするとそれほどの魅力を感じないのかもしれない。
ビエロフラーヴェクは日本でも80年代から知られるチェコの巨匠…といっていいベテラン。ライフネルというピアニストは1938年プラハ生まれという簡単な経歴はCD日本語解説書に書いてあるものの詳しいことはわからない。マルチヌー作品はすべて録音しているそうだ。
第1番(1925)は1920年代パリを感じられる愛すべきコンパクトな作風。自分は実はこれが一番好き。初演はルセット・デカーヴのピアノ、ピエルネ指揮コロンヌSO.
第2番(1935)は1番よりもスケールアップ、やや難しい。マルチヌーの傑作のひとつという評価らしい。この曲も民謡風ロンド楽章があったりと魅力にあふれている。初演はフィルクシュニーのピアノ、ターリヒ指揮チェコ・フィル。
ピアノ小協奏曲(1938)はナチスの暗い時代だが明るい楽しい華やかな新古典風なコンチェルティーノ。
第3番(1948)はアメリカに渡ってからフィルクシュニーの依頼で書かれた作品。この曲は自分はノイマン盤で聴いたことあった。1948年はチェコにとって暗い事件のあった年だが、やっぱりこの曲も親しみやすい。
第4番(1956)から曲の雰囲気が変わる。「呪文」という副題がついているが、これはオネゲルの著書に由来するらしいと言われてる。不安な感じのする曲。初演はフィルクシュニーのピアノ、ストコフスキー指揮ニューヨーク・フィル。
第5番(1957)は協奏的幻想曲という副題がついている。スイスで作曲された。これも十分に親しみやすい曲。初演はマルグリット・ヴェーバーのピアノ、フリッチャイ指揮RIASso.ということだが指揮者が違うという説もあって定かでないという。
このアルバムひとつでマルチヌーの魅力に十分触れることが出来る。自分は1番~3番までの曲はどれも好き。
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