2015年10月6日火曜日

BUSONI / Konzert für Klavier und Orchester mit Männerchor op. 39

こんなCDを500円で見つけたのでつい買ってしまった。ブゾーニのピアノ協奏曲。ここで見逃すと二度と出会えないだろう。

David Lively という人のピアノで、Michael Gielen 指揮 SWF Symphony Orchestra Baden-Baden による1990年の録音で、mSi and SWFのライセンスでオーストリアでプリントされ、KOCH INTERNATIONAL が流通…って書いてあるCD。
フェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924)って自分はバッハのコラールを編曲したピアノ曲ぐらいしかまだ聴いてない。よってピアノ協奏曲を聴くのは初めて。

なんでも70分を超える大作で、終楽章に男性合唱が入るという、めちゃめちゃ難しいわりにピアニストにとって美味しくない曲だって聞いてた。実際に日本で全曲初演されたのが2001年っていうから、ほとんど日の目を見てこなかった曲。

David Livelyは解説書によるとアメリカ人の若手としか書いてない。70年代からアメリカのオケに客演して、武満のピアノ協奏曲をパリで初演したとも書いてある。

この解説書がギーレンとLivelyとSWFとブゾーニの簡単な経歴を独仏英語で書いてあるだけで、曲のことはわずか。5楽章で書かれていて第4楽章がイタリア風で、第5楽章の合唱が「神の永遠」を謳い上げるというもの。

わりと長い序奏の後やっとピアノパートが現れる。ま、後期ロマン派風な作風。シンフォニック。

聴いていて面白いのがドイツの批評家から批判されたというイタリア的な第4楽章。ここは明るくて楽しい。もう途中からピアノ協奏曲だったことを忘れていく。ピアノもオケの一部か。

最後に男声合唱がデンマークの劇作家の詩を歌うのだが、そんなに高揚感がない(笑)。えっ、そんな感じで終わり?!

ピアニストというものは自身の限りあるピアニストとしてのキャリアにその1曲が必要かどうか?と自問する。この難しすぎて巨大で演奏機会も少ない曲を今後レパートリーにするピアニストもほとんどいないと思われる。結局ヘンテコな印象が残った。ブゾーニの個人的評価をやや下げた(笑)。

だが、ソリストとギーレンとSWFはこの大作をわりとよくドイツ的にまとめていたと思う。

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