このCDは数年前に950円で買ったもの。以来あんまり聴いてなかったので久しぶりにかけてみた。
Alban Berg WOZZECK op.7 Theo Adam/Gisela Schröter/Reiner Goldberg
Dresdner Kapellknaben/Rundfunkchor Leipzig/Rundfunk-Sinfonie-Orchester Leipzig/HERBERT KEGEL cond. BERLIN Classics 1992
という2枚組みCD。わりと昔から日本でも聴かれている定評のある録音。
ストーリーは新聞の三面記事的な幻覚と痴情のもつれの果ての殺人事件。医学の実験体で子どものミルク代を稼ぐ兵士の哀れな末路。
自分が「ヴォツェック」を初めて聴いたのは学生時代。そのときはアバド盤だった。これは数少ない現代曲趣味を持っていた後輩が貸してくれたものだった。あと、ベームやバレンボイムも聴いたことある。で、ケーゲル盤が初めて買った同曲のCDということになる。
ストーリーもキツイが音楽はもっとキツイ。たぶん、世間が想像しているオペラとはかなり違っていて多くの人が戸惑うんじゃないか。70年代の東ドイツキャストによる録音だけど、覚えてしまうまで、そうとうに聴きこめば管弦楽パートの面白さはなんとなくわかってくるかもしれない。
テオ・アダムはわりと有名な歌手かと思う。70年代の東ドイツキャストによる録音で、自分はあんまり歌手たちのことはよくわからない。
だが、このオペラは歌手よりもオケパートが重要。おそらくかなりの難曲。ケーゲルとライプツィヒ放送so. の冷たく切り刻む尖った甘くない演奏。今まで聴いたどの演奏とも違っている。
ベルクのオペラを聴こうという人なら、有名なヴァイオリン協奏曲ぐらいは知ってるかと思うけど、そんなに美しい叙情的な感じでもない。高慢な大尉やら医者やら情婦との会話やら口論、そして最悪の結末…。この曲を聴くことは修行のようなものだな。
0 件のコメント:
コメントを投稿