1955年広島に生まれた細川俊夫は早くからドイツへ渡り、ベルリン芸術大でユン・イサンやクラウス・フーバーに師事した。80年代から内外で活躍。自分の見たところヨーロッパで最も有名で評価されていている日本人作曲家。
このCDも500円で見つけた。FONTECレーベルからリリースされた「細川俊夫作品集Ⅳ」。こういったCDは見つけたその時買わないと二度と出会えないので購入。
弦楽四重奏曲第2番「原像」(1980)は細川がユンのもとで勉強していたころ、ユンとヴェーベルンの影響を受けた最初期の作品。ベルリンの厳しい冬にも影響を受けたらしい。実は自分がこのCDを買った理由は、アルディッティ・カルテットによる演奏(1990年の録音)を聴いてみたかったから。細川の、やはり初期の「ウィンターバード」という曲と雰囲気が似ている。24歳か25歳の若者が書いたって……、完全に負けた気分。
「ヒロシマ・レクイエム 語り、独唱、混声合唱、児童合唱、テープ、オーケストラのための」(1989) 広島出身の作曲家としてこのテーマに触れないわけにはいかなかったらしいが、日本語声楽曲ってほとんど聴かないし、テーマが重い。それにこのCD収録の団体がアマチュアだし…。ここで買うかどうか迷った。
これも30代中頃の作品だから、十分若い!第2楽章「死と再生」では長田新編「原爆の子」から少年と女声の作文朗読、英訳分、サイレン、カウントダウン、戦時中のニュース映像の音、グレゴリオ聖歌が聞こえてくる。インパクト十分といえる作品だけど、ニュース映像の音を使うとか、自分の現代音楽趣味とちょっと違う。
この作品は後に全5楽章形式の「ヒロシマ・声なき声」に拡大・改定された。
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